
- マルチーズは多頭飼いが可能ですが、犬種だけで相性は決まりません。
- 最も重要なのは、先住犬と新しい犬の性格・年齢・活動量の組み合わせです。
- 犬同士で遊んだり刺激を受けたりできることは、多頭飼いのメリットになります。
- 一方で、相性が悪いとストレスやケンカ、生活空間の分離が必要になることがあります。
- 2頭目を迎えるなら、いきなり同居させず段階的に慣らすことが大切です。
- 「仲良くさせる」よりも、お互いが安心して距離を取れる環境を作ることを優先しましょう。
マルチーズをもう1頭迎えたいけれど、「先住犬と仲良くできる?」「多頭飼いは大変?」と迷っていませんか?
マルチーズの多頭飼いにはメリットがある一方、相性や生活環境への配慮も必要です。
この記事では、多頭飼いのメリット・デメリットから、2頭目を迎える前の判断ポイントまで詳しく解説します。
マルチーズは多頭飼いに向いている?
結論からいうと、マルチーズは多頭飼いができる犬種ですが、「マルチーズだから必ず多頭飼いに向いている」とは言えません。

一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)は、マルチーズについて「活発」「愛情深い」「非常に穏やか」「大変知的」といった性質を犬種標準に記載しています。
このような性質は、ほかの犬と暮らすうえでプラスになる場合があります。
ただし、犬の性格には個体差があります。同じマルチーズでも、ほかの犬と積極的に遊ぶ子もいれば、飼い主と1対1で過ごすことを好む子もいます。
そのため、「マルチーズ同士なら仲良くできる」という考え方ではなく、今いるマルチーズがどのような性格なのかを見ることが重要です。

マルチーズ同士なら相性が良いとは限らない
同じ犬種であれば体格や生活スタイルを合わせやすいというメリットがあります。
一方で、同じマルチーズでも性格はそれぞれ違います。
たとえば、先住犬が静かに過ごすことを好む場合、遊び好きで活発な子犬を迎えると、先住犬が逃げ回るようになることがあります。
東京都動物愛護相談センターも、多頭飼いでは先住犬の年齢や性格、散歩の好み、ほかの犬との関係などを確認することが重要だとしています。
特に、活発な若い犬と高齢で穏やかな犬では、生活ペースの違いに配慮が必要です。
犬種よりも「その2頭の組み合わせ」を見ることが、多頭飼い成功のポイントです。
マルチーズを多頭飼いするメリット

多頭飼いの最大のメリットは、犬同士で刺激を受けながら暮らせる可能性があることです。
ただし、これは「2頭にすれば必ず寂しくなくなる」という意味ではありません。
犬同士で遊べる可能性がある
相性のよいマルチーズ同士なら、一緒に遊んだり、追いかけっこをしたり、寄り添って休んだりする関係になることがあります。
特に遊び好きな犬の場合、犬同士の遊びが日常的な刺激になることがあります。
獣医師監修の記事でも、若い犬との生活が中高齢犬にとって刺激になる場合があると紹介されています。
ただし、「遊び相手が必要だから2頭目を迎える」という理由だけで決めるのはおすすめできません。
先住犬がほかの犬との交流を苦手としている場合、新しい犬の存在そのものが負担になる可能性があるからです。
実際に、マルチーズを多頭飼いしている飼い主さんの例を紹介します。
5歳で穏やかな性格の先住犬に、生後4ヶ月の子犬を迎えたケースでは、最初の1週間ほどは先住犬が戸惑う様子も見られたそうですが、2週間を過ぎたころから、リビングで一緒に昼寝をするようになったといいます。
この飼い主さんは最初から仲良くさせようとせず、それぞれのペースを尊重したのがよかったと思うと話しています。
すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、焦らず様子を見ることの大切さがうかがえるエピソードです。
留守番中の環境に変化を作れる
飼い主が外出している時間に、犬同士が同じ空間で過ごせることはメリットになる場合があります。
ただし、犬同士が一緒にいることで安心するとは限りません。
留守番中も安心して過ごせる関係になっていることが前提です。
新しい犬を迎えたばかりなのに、最初から2頭だけで長時間留守番させるのは避けたほうがよいでしょう。
マルチーズなら生活ペースを合わせやすい場合がある
マルチーズ同士なら、体格や運動量、被毛のお手入れなど、飼育管理の共通点が多くなります。
たとえば、極端に体格の違う犬を組み合わせるより、同程度の体格の犬同士のほうが遊び方や生活ペースを合わせやすい場合があります。
ただし、これも個体差があります。
「同じ犬種だから管理が簡単」ではなく、「共通点が多いので調整しやすい場合がある」と考えるのが適切です。
マルチーズの多頭飼いで注意したいデメリット

多頭飼いで最も注意したいのは、犬同士の相性が悪かった場合です。
1頭飼いなら犬自身が距離を取りやすい場面でも、同じ家で暮らす2頭には常に相手が存在します。
相性が悪いとストレスにつながる
人間と同じように、犬にも相性があります。
先住犬が新しい犬を嫌がっているのに、「そのうち仲良くなる」と考えて接触を続けると、犬にとって逃げ場がなくなる可能性があります。
獣医師監修の解説でも、相性が合わない場合にはケンカやストレスにつながることがあり、場合によっては生活空間を分ける必要があるとされています。
仲良く遊ぶことだけを成功と考えないことが大切です。
同じ部屋にいても、お互いに干渉せず落ち着いて過ごせるなら、それも十分に良好な関係です。
食事やおもちゃをめぐるトラブルが起こることがある
多頭飼いでは、食事・おやつ・ベッド・おもちゃ・飼い主との時間などが競争の対象になることがあります。
特に食事は、最初から2頭を並べて与える必要はありません。
食事場所を分け、それぞれが落ち着いて食べられる環境を作るほうが安全です。
食器を置いた瞬間にもう1頭が近づく、唸る、食べる速度が急に速くなるといった変化があれば、食事スペースをさらに離すなどの対応を検討しましょう。
飼い主の負担も2頭分になる
多頭飼いでは、単純に「犬が2頭だから世話も2倍」とは限りません。
散歩、ブラッシング、トイレ、食事、しつけ、健康観察、動物病院への通院など、個別に対応しなければならない場面が増えます。
環境省も、動物を飼うことは命を預かることであり、健康と安全に配慮し、最後まで責任を持つことを飼い主の基本的な責任として示しています。
多頭飼いでは「2頭をまとめて世話できるか」だけでなく、必要なときに1頭ずつ向き合える時間と体力があるかまで考える必要があります。
2頭目を迎える前に確認したい5つのポイント

2頭目を迎えるか迷ったら、「先住犬・新しい犬・飼い主・住環境」の4方向から判断しましょう。
先住犬はほかの犬を嫌がっていないか
まず確認したいのが先住犬の性格です。
散歩中にほかの犬を見ると逃げる、強く警戒する、吠え続ける、近づかれると嫌がるなどの反応が強い場合は、慎重に検討しましょう。
反対に、落ち着いてほかの犬と挨拶できる、適度な距離を保てる、犬との遊びを楽しめる場合は、相性を確認する余地があります。
ただし、犬好きだから家庭内でも必ず受け入れるとは限りません。
年齢差が大きすぎないか
年齢そのものに「正解」はありません。
重要なのは、体力と生活ペースです。
たとえば、シニアのマルチーズに非常に活発な子犬を迎える場合、子犬は遊びたくても先住犬は休みたいという状況が起こりやすくなります。
東京都動物愛護相談センターも、先住犬が高齢で穏やかな場合には、先住犬の負担にならないよう新しい犬の性格を考えることを勧めています。
飼い主が1頭ずつ世話できるか
2頭が仲良くなれば、すべてを一緒にできるようになるとは限りません。
散歩、トレーニング、ブラッシング、健康観察などは、個別に行う場面があります。
「2頭とも同時に世話できる」ではなく、「必要なら別々に世話できる」ことが重要です。
それぞれの逃げ場を作れるか
多頭飼いでは、犬同士がいつでも離れられる環境が重要です。
それぞれのクレート、ベッド、サークルなどを用意し、片方が休んでいるときにもう片方が邪魔できないようにします。
動物病院の解説でも、十分なスペースや個別のパーソナルスペースは多頭飼いを考えるうえで重要なポイントとされています。
相性が合わなかった場合も飼い続けられるか
ここは見落としやすいポイントです。
「仲良くなるはず」と考えるのではなく、もし相性が合わなかったら、部屋を分けて生活できるかまで考えてください。
環境省は、多頭飼育について、飼育頭数が適正に管理できなくなることで動物だけでなく飼い主や周辺環境にも問題が生じる可能性を指摘しています。
2頭目を迎える前に、経済面・時間・住環境を含めて最後まで責任を持てるかを考えることが大切です。
マルチーズ2頭を迎えるときの対面方法

初日から自由に同居させるのではなく、犬同士の距離を少しずつ縮めることが基本です。
まずは別々に過ごせる環境を作る
新しい犬を迎える前に、クレートやサークルなど新入り犬専用の場所を用意します。
先住犬にも、これまで通り安心して休める場所を残してください。
先住犬の生活を突然すべて変えないことが重要です。
最初から仲良くさせようとしない
犬同士が興味を示さなくても問題ありません。
むしろ、相手を無視して自分のことをしているなら、落ち着いて過ごせている可能性があります。
東京都動物愛護相談センターも、先住犬との生活リズムをできるだけ維持しながら、新しい犬を少しずつ紹介する方法を勧めています。
反応が悪ければ一段階戻す
唸る、激しく吠える、逃げ続ける、体を硬くする、相手を執拗に追い回すなどが見られた場合は、無理に距離を縮めないでください。
「慣れさせるため」と長時間一緒にするのではなく、いったん距離を離して落ち着ける時間を作ることが大切です。
動物病院でも、最初は部屋を分け、徐々に会う時間を増やす方法が紹介されています。
知人の家庭では、対面初日に新しい犬が先住犬に近づこうとした際、先住犬が低くうなって距離を取ろうとしたことがあったそうです。
そこで無理に慣れさせようとせず、サークル越しに顔を見せる程度に戻し、1日数回、短時間の対面を繰り返したところ、10日目ごろにはうなることがなくなり、同じ部屋で落ち着いて過ごせるようになったといいます。
この経験から、反応が悪いときほど、一度距離を戻す勇気が大切だと感じたそうです。
マルチーズの多頭飼いで「成功」と考えてよい状態
2頭がいつも一緒に寝たり遊んだりする必要はありません。
次のような状態なら、良好な関係を築けていると考えやすいでしょう。
| チェック項目 | 良好な状態の目安 |
|---|---|
| 食事 | 相手を気にせず食べられる |
| 休息 | お互いに邪魔せず眠れる |
| 遊び | どちらか一方だけが追い回さない |
| 距離 | 嫌なときに離れられる |
| 飼い主 | それぞれが安心して甘えられる |
| 留守番 | 安全に分離できる環境がある |
| ケンカ | 深刻な衝突が繰り返されない |
特に重要なのが、「一緒にいること」より「嫌なときに離れられること」です。
犬同士の距離を飼い主が調整できれば、トラブルを予防しやすくなります。
マルチーズの多頭飼いで迷ったら「相性」を最優先にする

マルチーズは、JKCの犬種標準でも活発で愛情深く、穏やかで知的な犬種とされています。
しかし、これはすべてのマルチーズが同じ性格であるという意味ではありません。
多頭飼いを成功させるうえで大切なのは、「マルチーズだから大丈夫」ではなく、「この2頭なら無理なく一緒に暮らせるか」を考えることです。
特に、
- 先住犬がほかの犬を嫌がらない
- 生活ペースが大きく違わない
- それぞれの逃げ場を用意できる
- 食事や休息を分けられる
- 飼い主が1頭ずつ向き合える
- 相性が悪かった場合にも分離飼育できる
この条件を満たせるか確認してください。
「犬が寂しそうだから」という理由だけで2頭目を迎えるのではなく、先住犬にとって本当に暮らしやすくなるのかを基準に決めることが、マルチーズの多頭飼いで最も大切です。
参考情報
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「マルチーズ」
- 環境省「飼い主の方やこれからペットを飼う方へ」
- 環境省「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン」
- 東京都動物愛護相談センター「多頭飼いについて」
- ペット&ファミリー損保「獣医師監修 犬を多頭飼いする際に気になる!先住犬との相性」
- つむら動物病院「多頭飼育ってどうなの?」
Q&A

Q1. マルチーズは多頭飼いに向いていますか?
多頭飼いは可能ですが、犬種だけで向き不向きを判断することはできません。
先住犬の性格や年齢、ほかの犬との関係、新しい犬の性格などを確認することが重要です。
Q2. マルチーズ同士なら仲良くできますか?
必ず仲良くできるとは限りません。
同じ犬種でも性格は異なります。遊び好きな犬と静かに過ごしたい犬では、相性が合わないことがあります。
Q3. 先住犬がシニアでも2頭目を迎えられますか?
迎えること自体は可能ですが、新しい犬の活発さが先住犬の負担にならないかを慎重に判断してください。
穏やかな性格の犬を選ぶなど、先住犬の生活ペースを優先することが重要です。
Q4. 2頭目は子犬と成犬のどちらがよいですか?
一概にどちらがよいとは言えません。
子犬は遊びたい気持ちが強く、先住犬を追い回してしまうことがあります。先住犬の年齢や性格に合わせて選ぶことが重要です。
Q5. 多頭飼いなら食事も一緒でいいですか?
最初は別々に食べさせることをおすすめします。
食事中に相手を気にする、唸る、食べ物を守ろうとする様子がある場合は、距離をさらに離してください。
Q6. 2頭がケンカしたらどうすればいいですか?
まず安全を確保し、無理に手で割って入らないよう注意してください。
繰り返し激しいケンカになる場合や、ケガにつながる可能性がある場合は、獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談しましょう。
Q7. 2頭が一緒に遊ばなくても問題ありませんか?
問題ありません。
多頭飼いの成功は「いつも一緒に遊ぶこと」ではありません。お互いに干渉せず、安心して休める関係も良好な多頭飼いの形です。
マルチーズ多頭飼いの要点まとめ
- マルチーズは多頭飼いが可能な犬種です。
- ただし、犬種だけで多頭飼いの向き不向きは判断できません。
- 最も重要なのは先住犬と新しい犬の相性です。
- マルチーズ同士でも性格が合わないことがあります。
- 犬同士で遊べることは多頭飼いのメリットです。
- 若い犬がシニア犬へのよい刺激になる場合もあります。
- 相性が悪いとストレスやケンカにつながる可能性があります。
- 食事・おもちゃ・休息場所は競争にならない工夫が必要です。
- それぞれが逃げられる場所を用意しましょう。
- 2頭目を迎えても、先住犬との1対1の時間をなくさないことが大切です。
- 初日から同居させず、少しずつ距離を縮めましょう。
- 多頭飼いの成功とは、2頭が常に仲良くすることではなく、安心して一緒に暮らせることです。
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